ベンダー企業による 『製造 ~ テスト工程』 が終了すると、出来上がったシステムの納品・受入検収へと進みます。
今回は、検収における留意点です。
そもそもユーザ企業は『システム検収』で何をすべきなのでしょうか。
簡単に言ってしまえば 『要望した通りにシステムが出来上がっている』 事を確認し、承認する事です。
しかし、闇雲にシステムを動かしてみても、全ての機能を網羅したシステム検収が行えるものではありません。
つまり、どの様にすればシステム検収において全ての機能をまんべんなく確認出来るのか、ということに留意すべきということです。
システムは 『入力』『処理』『出力』 の3つの組み合わせで出来上がっているのです。
その組み合わせは、業務フローを意識して出来上がっているはずです。
と言う事は、業務の流れ(業務フロー)を意識して、システムを動かしてみる事が肝要ということになります。
◇業務の流れ(業務フロー)に順ずる検収シナリオを用意する
◇検収シナリオに沿った 『テストデータ』 を用意する
◇想定結果の通りに、システムが正しく機能し、正しい結果を出すかどうかを確認する
但し、最初から本番さながら大量のデータを処理しても結果の確認に手間取るはずですので、まずは少量の、決められたテストデータでシステムの正確性を確認すべきでしょう。
正確性が確認できたら、次は大量のデータを処理し、システムの処理能力を確認してみましょう。
システムの性質により異なりますので、調達するシステムの事情に合わせて検収シナリオを立ててみましょう。
検収完了の手続きについても留意しなければならない事があります。
ベンダーとしては、検収完了をもって売上に計上するなどの事情もありますから早めに検収を完了したいでしょうが、ユーザとしては安易に検収を完了してしまうと取り返しのつかない事になることがあります。
バグであれば契約上、瑕疵担保責任の条項が入っているでしょうから何とかなりそうですが、システムへの実装漏れがあっても検収を完了してしまっていては、漏れの取扱いついて揉め事になるのは必至です。
要求事項がシステムへ実装されていることを確認すると共に、正確にシステムが稼動する事を確認してから、検収完了とすべきなのです。
※但し、システム設計段階で漏れがない事を確認し、ユーザとベンダーでシステムの範囲とその実装機能について合意しているということが前提です。
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