今回は製造~テスト工程における留意点です。
この工程は、システム設計(基本設計/詳細設計)に基づき、ベンダー企業がシステムとして実装するプログラムを開発し、開発したシステムが正しく動作するかのテストをする工程です。
ですから、この工程におけるユーザ企業の関与としては、進行状況の確認が主だったこととなるでしょう。
しかし、この工程に突入したからと言って、ユーザ企業側の担当者が楽になるわけではありません。
システム開発工程における留意点(4)で触れましたが、プロジェクト管理業務を疎かにしてはいけないという事です。
システム開発にリスクは付き物です。潜在的なリスクや顕在化したリスクなどに対し様々な対策を立て、対応して行かなければなりません。
併せて、次の工程である検収に向けて、準備をしなければなりません。
その準備では、
- データ移行
- 業務移行
- システム検収
- 運用テスト
- 教育
- 本稼動開始時期
など、本稼動までにユーザ企業が行わなければならない事は山ほどあるのです。
その中でも、結構時間が掛かるのが、システム検収です。
そもそもユーザ企業にとって 『システム検収』 とは何をすべきなのでしょうか。
簡単に言ってしまえば 『確かに要望した通りにシステムが出来上がっている』 事を確認し、承認する事です。
しかし、闇雲にシステムを動かしてみても、まんべんなくシステムの検収が行えるものではありません。
ですから まんべんなくシステムの検収を行うためにも 『何をどの様に確認するか』 という視点で 『検収手順』 を明確にすることはとても大切な事なのです。
要求事項がシステムへ実装されていることを確認すると共に、正確にシステムが稼動する事を確認してから、検収完了とすべきなのです。
当たり前の事ですが、システム検収を行う前にベンダーによる各種テスト(単体テスト/結合テスト/総合テストなど)が実施され、システムが 『まともに動く』 状態になっていなければなりません。
そうでなければ、システム検収をやる意味がありません。(システム検収段階ではないという事です)
それでは、システム検収はどの様な手順で行うべきでしょうか。
システムは 『入力』 『処理』 『出力』 の3つの組み合わせで出来上がっているのです。
その組み合わせは、業務フローを意識して出来上がっているはずです。
と言う事は、業務の流れ(業務フロー)を意識して、システムを動かしてみる事が肝要ということになります。
そして、組み合わせの正確性を確認するために、
◇システム全体をまんべんなく動かすための 『データ』 を用意する
◇想定結果の通りに、システムが正しい結果を出すかどうかを確認する
事を意識した、
業務の流れ(業務フロー)に順ずる検収シナリオを作る事が肝要ということになります。
当社は、顧客の立場に立ち、IT化・システム化戦略の企画・立案および推進、課題解決をご支援させていただいておりますので、お悩み事やお困り事をお持ちのユーザ企業様、お気軽にご相談ください。