システム開発工程における留意点(詳細設計)

シェアする

前回は、基本設計における留意点について触れましたが、今回は詳細設計における留意点です。

そもそも、基本設計と詳細設計は、何が違うのでしょう?

基本設計は、システム全体がどの様に組み立てられるのかを明確にするもの。

詳細設計は、システムを組み立てる部品をどの様に作るのかを明確にするもの。

簡単に言ってしまえば、システムを 『外から見る』 『内から見る』 と言った所でしょうか。

それでは、詳細設計段階において、ユーザ企業はどの様なことに留意すべきかを考えて見たいと思います。

会社の中には様々な情報があります。

販売に関する情報、財務に関する情報 など・・・。

それらの情報をデータ化し、コンピュータで取り扱うわけですが、それだけで意味を持つデータ項目もあるでしょうが、複数のデータ項目を『処理』する事によって意味を持つデータもあるはずです。

また、それらの『処理』にはルール(基準など)や方法(計算式など)があるはずです。

基本設計では、それらのデータを入力する画面やデータを印刷する帳票など、外から見える部分を中心にシステム設計されているはずです。

ただそれだけでは、見えない部分でどの様な『処理』をするのかを明確に規定されているとは限りません。

詳細設計では、システムの内部で執り行う基準や計算式などの『処理』を明確にすることなのです。

この様に定義すると、ユーザとして留意しなければならない点はハッキリとしますね。

今までシステム化されていない業務をシステム化する際は、手書の世界で行っていた基準や計算式などを明確にベンダーに伝える事。

既存システムを更改する際も、現状どの様にシステム処理をしているかを明確にベンダーに伝える事。

これらの基準や計算式は、ベンダーが勝手に決られるものではないのです。

社内のルールが適切にシステムに反映されなければ、実用性や信頼性に乏しいシステムとなることでしょう。

詳細設計書は独立したものではありません。

基本設計書と関連付け、詳細設計書を必ずベンダーに作らせるようにしましょう。

詳細設計に記載する事項について挙げてみます。

一例ですのでこれが絶対と言う事ではありませんが、少なくともこの位は詳細設計書に記載すべきでしょう。

(1)機能概要
(2)機能展開
(3)機能関連図
(4)処理基準
(5)処理概要
(6)処理詳細
など

システムの種類や基本設計との兼ね合いもあるでしょうから、ベンダーとよく相談し、詳細設計書の記載内容を決定するようにしましょう。

基本設計書や詳細設計書を元にプログラム仕様書が作成され、プログラマー対してプログラム開発の指示が行われるわけですから、基本設計書や詳細設計書に漏れがあった場合は、プログラム仕様書へも反映されないという事になります。

つまり、プログラムへ反映されなければ、システムへの実装漏れとなるのです。

当社は、顧客の立場に立ち、IT化・システム化戦略の企画・立案および推進、課題解決をご支援させていただいておりますので、お悩み事やお困り事をお持ちのユーザ企業様、お気軽にご相談ください。